2013年7月29日月曜日

ランドルフ・ロックハート


名前:Randolph Rockhart
年齢:24
身長:180
出身地:C-CK137 
髪の色:金(仲間内では枯れ草色)
目の色:ネイビーブルー
肌の色味:白
性格:並々ならぬフェミニスト、弟分二人の面倒をみていた時期が長いためお兄ちゃん気質。料理好きの苦労性。ノリはいい方でバディと共にふざけあうことも
モチベーション:家系が家系のため、誇りはある
尊敬するもの:世の大概の女性

敵対要素:男尊女卑
トラウマ:Vivi-ann Marin

能力:動物憑き(狼:ループス)身体の側面一方向に対し体力を代償に盾を張る
戦闘スタイル:二丁拳銃。小型銃を備え、胸に護身用ナイフを持つ
弱点:女性(色仕掛け含む)、睡魔
特質:特になし
バディ:ピエロット
その他補足事項:愛煙家。ニコとシャンとは幼馴染(兄貴分)

2013年6月19日水曜日

青目の旅人

 左側から選んで七番目、ラムネの蓋を抜いて軽く回す。
 同期に色男の味覚は存外お子ちゃまだと言いふらされ、暫くは視界にいれることさえ躊躇われていた。
 陽光に透けた瓶ぞこの青に見惚れていると弟分から声がかかる。今日だってよ。
 上ずって引きつった声をあげる副班長の背を叩いた。
 ほら、今日からなんだから。
 ぶらりと、そいつは現れた。
 年季の入った靴に、必要最低限の荷物。パッと見て武器になりそうなものは何一つ所持していないが、生き残ることにかけてはプロなのだろうと、日々積み上げた勘が語る。
 そいつはつばの広い帽子をひょいと外して、こちらを見た。
「ランドルフ・ロックハート?」
 かちりとかみ合った視線は以外にも躊躇いなく正面から射抜いて、瞳は親父の色をしていた。
頷いて、手を差し出す。
「ランでいい。これからよろしく、青い瞳の旅人さん」
「どうも」
 パン、とハイタッチの形でうまく交わされた。
「共通語はとりあえず概ね理解したけど、まだなれないところがあるかもしれない。この班の中で一番学があるのがあんただと聞いたんだ。よろしく頼むよ」
 そう言って、彼は銀の髪を一度撫でた。
 提げた皮袋を受け取ろうとしてなんなく避けられ、そっと肩を竦める。
「見ての通り、人手が足りてないんだ。俺にできる限りのことはするつもりだが、ま、足りなきゃいってくれ」
 学ね、つぶやき二人からしてみれば兄貴分に当たるだろう自分のとしを数え直してふと思い至る。
「そういやそちらさん、お年はいくつ」
「19。今年で成人だけど、入国の時には少しちょろまかしてる」
 彼はひらり、と手を振った。
「ところで髪を染めたいんだけど」
 へえ、と無感動に声をあげて首が傾いた。
「ん?」
「だから、染料が欲しい」
 あお、と、彼は言った。
「頭、青にするからさ」
 へえ青。間抜けに復唱して手の内にあったラムネをぐい呑みする。彼の地の色じゃそれもありかもしれない。
「生憎とうちの班はそんなに優遇されてませんでね、色も中身も限られてくるぜ」
 言って、親指から薬指まで立てた。
「まあ好みを探すよ。なかったら別の機会に。儲かってからでも遅くない」
 そう言って、ぽい、と、年季の入った帽子をゴミ箱に放る。
「で、ラン。何か質問や連絡事項は?」
 一度仮設基地の方に首を巡らせて、こきりと鳴らした。
「なら一つ、なんて呼べばいい?」
 彼はちょいと首をかしげた。
「名前ねぇ」
 ここじゃどれ使ったんだっけ、と、とんでもないことをつぶやく。..
「この班じゃ構わないが、それ、動物つきの前なんかじゃ滅多に口にするもんじゃないぞ」
あんまりな言い草に苦笑して、からに成ったガラスから玉を取り出す。
「名簿の名前、見てもらっていいかな。どれ使ったか忘れたみたいで」
 彼は大して悪びれるでもなく頭を下げた。
「どうぞ」
 記入欄の1番新しいところをめくって、つられてぎこちなく腰を折った。
「ああ、ピエロット……そうか、この名前か」
 ふんふんと頷いて、彼は言った。
「じゃあピエで。なるだけ何回も呼んでよ。忘れないように」
 そのしれっとしたつらがなんとはなしに気に入ったもので、思わず口ずさむように舌に乗せた。
「仰せのままに。ピエちゃん」
「ん」
 軽く頷いて、それでようやくピエロットは笑った。
 と思ったら、疲れでも出たのか、そのまま一気に倒れこむ。
「今日はもう寝るかな……」
 小さく呟いて、そのまま腕の中ですぅすぅ寝息を立てた。
「……そっちのケは無いんですけどね」
 誰にともなく毒づいて、やれやれと抱え直す。
 面倒ないきものがやってきた。キャラバンに向かう途中ほくそ笑んで、現状にため息をついた。

2013年6月18日火曜日

あだ名の話

デニスとピエロットのあだ名が特殊なのでちょっと記載…。


リュシアン
→D:ルペ
→P:おチビ

ケビン
→D:ケイ
→P:ケビちゃん(ここは比較的ノーマル)

ヒューゴ
→D:ウーゴさん
→P:ヒュー兄さん(ここも比較的ノーマル)

ランドルフ
→D:ランド
→P:ランちゃん(あれここも比較的ノーマルか)

フォルカー
→D:フォルテ
→P:ワンコ

バーナード
→D:ベアさん(安定)
→P:ベアさん(安定)

ニコラス
→D:ニカ
→P:パパン(面倒見の良さから)

ヴァスコ
→D:アニア
→P:新入り

ピエロット
→D:エンツォ

デニス
→P:ディオン

2013年6月6日木曜日

あだな一覧

フォルカー
(Fok, Fokje, Fokko, Fol, Follyber, Folly)
(フォルテ、フォル)
ヴァスコ
(Van,Vas, Vassie)
(ヴァン)
ケビン
(Kevie,Kenny)
(ケニー、ケイ)
リュシアン
(Luc,Luke,LuLu,)
(シャン(特殊)、リュカ、リュリュ)
デニス
(Den,Dennie,Dionicius,)
(ディオン、ディー)
ピエロット
(Pie,Pierrot(英語読み))?
(ピエ、ピエロ、ピエちゃん)
ニコラス
(Nico,Nick,Nicky,Nikki,Nike,Niles,Cole)
(ニコ、ニック、ニカ)
バーナード
(Barnie,Bern,Burn,Prins)
(ベア)
ランドルフ
(Randall,Randell,Randl,Randy,Rankin,Rand,Ran)
(ラン、ランド、ランディ、ランちゃん)
ヒューゴ
(Hugh,Huga,Hugie)
(ヒュー、フーゴ)


随時加筆予定。

2013年6月5日水曜日

ニコラス・リー

名前:Nicholas Lee
年齢:22
身長:175
出身地:C-CK137 
髪の色:赤毛
目の色:橙
肌の色味:黄色寄り。日焼けしやすい。
性格:好戦的な外見に反して常識人。
まとめ役だったり苦労人だったりで、年上のメンツには内心手を焼いている。
モチベーション:戦功を上げること
尊敬するもの:父親

敵対要素:初期ヴァスコ
トラウマ:女性に身ぐるみ剥がれたランドルフ

能力:特筆なし
戦闘スタイル:ダブルアックス使い。接近戦と肉弾戦が得意、というか好み。
弱点:遠距離戦相手。
特質:特筆なし
バディ:ケビン
その他補足事項:
シャン、ランドルフとは幼馴染。

バーナード・ブルース


名前:Barnerd Blues
年齢:29
身長:182
出身地:北の国
髪の色:茶髪
目の色:こげ茶
肌の色味:白寄り
性格:基本的にはおっとりだが、発言は手厳しい。
モチベーション:特になし。家が買えるぐらい稼げたら今の彼女と結婚する予定。
尊敬するもの:父親

敵対要素:とくになし
トラウマ:とくになし

能力:動物憑き(クマ)
戦闘スタイル:肉弾戦メイン。ハンマーを使う。
弱点:素早い相手。
特質:スタミナが化物並み
バディ:ヒューゴ
その他補足事項:もともと古本屋の息子。
動物憑きだが、自覚がなかった。

2013年5月8日水曜日

ある日 夜の中


 軽妙な金管楽器の音が耐えない。ステージから降り注ぐ灯りから顔面を庇うようにして男は腕を組んでカウンターに突っ伏した。
 ハズしたか、舌打ちをソルティードッグで飲み干してどんちゃん騒ぎから耳ごと意識を引き剥がす。
 うるせぇんだ、どいつもこいつも。
 昨日引っ掛けた女、一昨日殴った男、一昨昨日の騒動は、もう覚えていない。
 めんどくせぇ、うざってぇ、あぁ、だりぃ。
 酒をいくら煽っても、金をいくら撒き散らしても、女をいくらはべらせても、満たない。
 力のぶつける先、受け止めてくれるものを、自分は知らない。
 知っている、自分はサディストだ。
 異常な性感覚を持っていて、であるがゆえに、人をまともに愛せない。
 だから他人とまともに付き合えない、と誰かに貼られたレッテルを都合のいい言い訳にして、落ちるところまで落ちてきた。
 あぁ、うざってぇ、ねむてぇな。
 考えて頭を落とすと、誰かが近づいてくる気配があった。
 習慣で、目を強く瞑り頭を思い切り抱き込む。
「両脇ガラ空きじゃんいろおっとこ」
 よ、とおそらく片手を挙げて現れただろう男は脚の欠けた椅子に器用に跨って声を上げた。
 流し目に睨めつけるとちっとも悪びれていない風に、おお怖い怖いと手を降る。
「ぁんだ、てめぇ」
 酒でしゃがれた声が出た。
 ヴァスコ・ダ・アニア。
 この界隈の歓楽街では、自分を知らないものの方が少ない。
 よそ者か、あるいは世間知らずか。
 どっちにしたって大したやつじゃない。
 相手をしないと決め付けて、もう一度頭を落とす。
 同時にくてりと上半身をカウンターに投げ出してまでこちらを覗き込んできたから、後者であるらしいと黙殺を決め込んだ。
 表に出さないように椅子を引いて視界から追い出して、今度は雑音に意識を集中させた。
「マスター、同じのを」
 馬鹿いえ、軽口の応酬の末お前は精々ワクだなんて無意味なリップサービスまでついてくる。
「……何の用だ」
 仕方なしに身を起こして、前髪を書き上げた。
「見ねぇ顔だな」
「ん、まぁここいらは初めてよ」
「だろうな」
 なまっ白いガキだ、と、小さく呟いた。
「ガキね、お尻の感染症の心配されるよかよっぽど紳士的な扱いだ」
 おっと食事中に失敬、一杯奢るからさと若者は大仰に一礼する。
「うるせぇ、ちびの相手する気ァねぇ、失せろ」
 切って捨てるように言って、席を立つ。
 酒は緩やかに回っていたらしく、少し足元がふらついた。
 と。
「ヴァスコ・ダ・アニアだな?」
 ひとりの男が目の前に立ちふさがった。
「あ゛?」
 答えると同時に、ナイフを向けられる。
「――死ね」
 短く吐き捨てるように言って、男は一気に体を詰めた。
「――ハ」
 反吐が出るほどに――哂える。
 軽く身をひねる。手にしたボトルで殴り倒す。
「ざまぁ」
 ものの一秒とかからない、唇は笑みでつり上がっていた。
 ああ、楽しい。
 ぶち壊すのは、なんて気分がいいんだろう。
「……っ」
 と。
 傍観していた隣人が唐突に息を詰めた。ああ、ブルっちまって逃げ遅れたか、なんてどうでもいい思考が瞬く間に流される。
 さぁ青か、白か、土気色か?
 腕に散る破片の痛みも忘れて見入るが、そこに浮かんだのは。
「…っいい腕、してんなぁ…」
 紅潮。上ずった声が滑るように、はち切れんばかりの高揚を込めて吐き出される。
 足元の死体未満に目を凝らし男は感慨深くつぶやいた。
「は?」
 何言ってんだ、こいつ。
 ビビって壊れたか。
 そんなことを思って、改めて後ろの男を振り返った。
 手に持ったボトルから、血だかワインだかが溢れる。
 持ち上げて舐め取って、我知らず一つ、息をこぼした。
 なんでったって、こんな息を。
 考えて、すぐに気がつく。
 ああ。
 目の前の野郎、欲情してるじゃねぇか。
 打ち震えた拳をそっと解き、餓鬼は息をついた。吸う、吐く、吐く。
 上げた顎が華奢で線の細さに目がいくも、出っ張った肩骨でどうにか下にモノついた野郎らしいということを思い出す。
「さて、あんたはどうでるかね…お立ち会い!」
 最後は小声で吐き捨てるように言って、あろうことか青二才はカウンターに足をかけた。
 マスターが気色ばんで袖をまくる。
「レディース、アンジェンノメ!」
 仁王立ちになって野郎はいっそ楽しげに声を張り上げた。
「ハズレは逃げろ、群れがくるぞ!」
 途端、蜂の巣を放り込んだような騒ぎに呑まれる。
 阿鼻叫喚、非難号号、床下から天井まで響き渡る人の声に地鳴りが鼓膜の上を踊る。
「ってめぇ、何言って…!」
 言い切るより先に、その女じみた男が動いた。
 額に巻きつけた布飾りが音を立てて、揺れる。
「舌噛むぜ?」
 頭上からはたき落とされて顔面ごとカウンターに突っ込んだ。
 ささくれが歯茎に食い込んで呻きを漏らす。にじんだ鉄の味に遅れて痛みがやってきて、もがくと圧力が強くなった。
 その頭上をものの数秒遅れて耳障りな轟音が突っ切る。
「あ、防ぐべきは両耳だったか」
 能天気な声を上げたのはその場に一人きりだった。
「――ってめぇ、何もんだ、ふざけやがって……」
 きり、と小さく歯噛みした。
「みんなのお仲間。自称ね」
ちょーっと反骨精神筋金入っちゃってますけど、なんて付け足してふざけた男は伏せたまま同じ目線でまた手のひらを見せた。
「……お前、で、俺に何のようなんだよ」
 結論を急いた。
「何の、用なんだ」
「君に、会いにきた」
 うっとりと男は微笑んでべ、としたを出す。形作った愛想笑いが崩れる様をスローモーションで見たのは初の事だった。
「てのはまぁ、場を和ませるための笑えねぇ冗談で。俺も逃げてきた」
 親指を立てて、人がいなくなった方に山積みになった影を指す。
「で、疫病神はそれらしく報せに走りました次第」
「ハ」
 もう一度、笑った。
 くだらない、一瞬期待してしまった。
 君に、会いに来た、その言葉に。
 やさぐれた心が、また嗤う。
 期待しやがって、ばぁか。
「じゃ」
 とっとと、消えちまいな。
 ボトルを掴んだ手に、また力を込めた。
 このまま一気に振り下ろせば、この目前の不快なオトコはまた眠って、落ちるだろう。
 けれどなぜかそうするのはためらわれて、手から力を緩めた。
「どっか、とっとと行っちまえ」
 はいはい、存外あっさりとクソ野郎は身を引いた。
「あーツマンネ、あんた食われちまうの」
つま先を揃えて振り返りざまそんなことを聞く。
「――は?」
 食われる?
 言っていることのわけがわからなかった。
 世間のことには疎い。
 俗世の言葉などほとんど知らない。
 さっきの外れだのなんだの、何の話だ。
「…はい?」
 耳をつんざく破裂音がして、ガラス戸が防弾を抜かして見事に吹っ飛ぶ。
「いや、アンタ…、ハズレだろ?」
 今度は腰を抜かしていたマスターの方がはいよってきて、まてまてまて、と態とらしく額を拭った。汗が伝うのは右頬の方だと言うのに。
「アレ、知らねえって、そりゃねえよ…」
 脂の乗った人差し指の、先には。
 ぐにゃぐにゃの、ああ、ブギーマンだ。
 小さい頃に何度も見た。そういえば親戚も食われたっけ。
「あんなんにビビってんのか、がきじゃねぇの」
 つぶやいて、キリ、とまた歯噛みする。
 どんな悪い酒だ、こんなつまらないもんまで見せやがって。..
「つまんねぇマネしやがって」
 吐き捨てるように言って、もう一度ボトルを振った。
 キリリ、と、張り詰めた殺意が全身を包む感覚がある。
「ぶった切ってやる」
 言うや否や、体が軽く飛んだ。
 手元のボトルが、ナイフのように鋭く、尖る感覚。
 翼を得たように、体が軽い。
 そのまま、一刀両断。
 上から下までぶった切って、そのまままた一つ、息をついた。
 降り立つと、唖然と見上げる視線が一つ。もう一つは先程も目にしたものだ。
 二度目にしてやっと理解出来た。ドウケイ、こいつは見にまとうのに非常にかったるい部類のもの。
 握りしめたボトルの感触にうんざりして投げ捨てると死体もどきが飛沫を受けてもがいた。
「戻んのね、ソレ」
 弾んだ声が、待ちきれない、とでも言うようにすりよってくる。
「おー」
 適当に答えてやり過ごす。
 元に戻る、だからこそ、警察に面倒事を見つかっても裁かれないで済んだのだ。
「そうだ、てめぇ他人にばらしたら……」
 面倒だと思いながらもう一度振り向くと、また視線にかち合った。
 違った意味で危険をはらんだ目。怯えた眼差しの群れに埋れることなく生き生きと輝く。
 不定形生命体の成れの果てを靴裏に敷いて男は笑った。
「アンタ、面白いなぁ!」
 うん、うんとわけのわからん首肯を一人満足げに続けて男は背を叩く。
 そういや表は未だ乱闘騒ぎだというに、持ち込まれた喧騒は一つ限りだ。
 不審に思って目を向けるとずいと顎を突き出された。
「やりたい放題ね、悪かない、むしろ最高」
 見てて気分がいいよ、と無遠慮にひときわ強く張り手をかまされた。
「っ……!」
 何しやがる、と怒鳴るより先に湧いたのは、純粋な驚き。
 この俺の背を、あっさり叩いた。
 ただのひょろっちい男に、バック取られたってのか。
「――ただもんじゃねぇな」
 つぶやいて、ぐい、と頬を拭った。
「お客さん、困るよ…」
 割って入った蚊の鳴くような声が哀れっぽく尾を引く。
「ワリワリ、有り余った諸々あっちに割くから」
 対峙する相手は破片まみれの床の先を指して、しゃがみこんで中年男の背をさする。
「ーンなわけでちと、付き合って下さんない?」
 興奮覚めやらぬ、でしょ。
 蠢いた化け物の内側を鈍く乱反射して、ぼこぼこと形を変えた影を踏んで男はちょいちょいと手招きをした。
「ハ」
 また鼻で哂って、足を動かした。
 ぶらり、と歩いて前に進んだと思った矢先、頭がぐわりと揺れた。
「――あ?」
 酒の酔が、今になって回りきったのか。
「ぁ」
 がくん、と、足で踏みこらえる。
「――、くそ、」
 うめいて、崩れ落ちかける、その直前に、男の腕がシャツを引き掴んだ。
「じゃあ、また明日」
 苦笑する優しい響きが耳に届いた、と思えば喧騒が遠のいて、支えられた背の感覚を最後に全身の力が抜けた。